幼稚園だより(月報) 2012年3月
伊集院幼稚園主任教諭 麦野節子
いちご狩りに雨の中でかけました。今年は日照時間の不足でいちごが赤くならず、一人三粒までにして下さいと連絡が入りました。いちごをとる前に、今日は一人三個よと教えると、文句も言わず、一生懸命に大きな赤いいちごを探しました。ちゃんと並んで押し合うこともなく助け合いつつとっている姿に、いちご園で働くおばちゃんたちから、なんていい子たちなんだろうとほめて頂きました。いろんな園が来るようで、中にはあばれたり、勝手に食べたりがあるらしく、整然としていた伊集院幼稚園の子どもたちに驚かれたようです。成長したんだなぁとつくづく思います。
パカポコにのってスイスイと飛ぶように走っている年長の女の子たちの集団に、思わず何事が起こったのかと思う程びっくりしてしまいました。体も敏捷に成長しているんですね。なわとびも一人なわとび、大なわとびと発展、大なわとびは一人で跳ぶのと、2~3人ついには5~6人で跳びたいとチャレンジしています。心を合わせないと続かないのですが、数人が心を合わせ、けなすことなく励まし合う姿に感動します。次こそはもっと多く跳びたいと心はずませ目は生き生きと輝いています。ああ心も優しくたくましく育っているなぁと思います。コマまわし、羽根つきとどれも難しいのですが、一生懸命に取り組む子どもたちに、失敗は成功のもと、何度でも失敗していいよ、できるようになるよ、そのがんばる心すごいね、今の投げ方うまかったねとほめつつ一緒にやっていると上手くできるようになるんです。子どもたちはもううれしくてうれしくてチャレンジチャレンジ、がんばる力、忍耐する力も育っているんですね。心身共なるたくましい成長に、よろこびと神さまここまでお育て下さってありがとうございますの思いでいっぱいになります。
これからもぐんぐんと成長していく子どもたちが、我々大人に望むことは、「共に遊んでほしい」、「関心をもってほしい」、「見守ってほしい」、ではないかと思います。
年長さんは小学生になるという不安と期待、年中さんは、やさしい年長さんになって新入児さんのお世話をしたい、年少さん、満3歳児さんは一つ大きくなることへの期待に胸がふくらんでいます。そんな子どもたちの心を丸ごと受けとめ、残り少ない日々を悔いのないように過ごしたいものです。宝のようなすばらしい子どもたちを我々に託して下さり本当にありがとうございました。
聖句「光の子として歩みなさい」(エフェソ5:8)
伊集院キリスト教会 牧師 麦野達一
幼稚園の一年が終わりを迎えようとしています。この一年「3.11」のことを耳にしない日はありませんでしたし、考えない日もありませんでした。ニュースの中心は常に「被災地」「津波」「地震」「原発」でした。保護者の方々の中にも被災地を訪れた方がおられるでしょう。私も昨年9月と今年の2月の二回、宮城県を訪れる機会がありました。巨大な波に飲み込まれ、破壊し尽くされた南三陸。地震によって地盤沈下し、水が道路にあふれていた石巻。そしてあちこちで見かけるピンクのリボン。津波による死者が発見された印なのだそうです。色あせているリボンの中に時折真新しいリボンを見かけます。新しく発見されたのではなく、色あせてはかわいそうだと遺族の方が新しいリボンに付け替えているのです。何とも切ない気持ちになりました。愛する家族を失った悲しみ。見知らぬ土地で見知らぬ人々とともに暮らすつらさ。仕事、住居、経済問題など先の見えない未来。大きな課題をたくさん抱えたまま、「あの日」から1年を迎えます。幼稚園の子どもたちと毎週月曜日に礼拝をしてきました。この一年、お祈りの最後で一緒にこのように祈りました。「お休みしているお友達のことや、東北地方のお友達のこともお守りください。」子どもたちにあの出来事がどのくらい伝わっているのかわかりませんが、この祈りの言葉を毎週口にすることで東北の地でつらい一年を過ごした仲間がいることを覚えていてほしいと願います。また、その仲間たちともイエス様は共にいてくださることを信じ続けてほしいのです。そして見知らぬ仲間のために祈り続けてほしい。それこそ伊集院幼稚園で育った光の子なのです。
今月のコラム~祈り~
主よ、今日一日、
貧しい人や病んでいる人を助けるために、
私の手をお望みでしたら、
今日、私のこの手をお使い下さい。
主よ、今日一日、
友を欲しがる人々を訪れるために、
私の足をお望みでしたら、
今日、私のこの足をお貸しいたします。
主よ、今日一日、
優しい言葉に飢えている人々と語り合うため、
私の声をお望みでしたら、
今日、私のこの声をお使い下さい。
主よ、今日一日、
人は人であるという理由だけで、
どんな人でも愛するために、
私の心をお望みでしたら、
今日、私の心をお貸しいたします。
〈マザーテレサの祈り「わたしをお使いください」〉
マザーテレサはこの祈りを生きた人でした。
伊集院幼稚園で過ごしている子どもたち。この1年もたくさんの聖書の言葉を覚え、神さまのお話を聞きました。これからも神さまの言葉を聞きつつ、それぞれの賜物(能力)を用いて、出会う人をはじめ、世界中の人を大切にする行ないが出来る人になるよう、祈り願っています。