幼稚園だより(月報) 2014年5月
伊集院幼稚園主任教諭 美園実保
園生活も1ケ月が過ぎました。あっという間の4月でしたね。
保護者会、始園式に始まり、入園式、役員会に総会、そして家庭訪問、大人にとっても大忙しの1ヶ月。保護者のみなさま心より感謝申し上げます。子どもたちも一生懸命遊んでいます。
朝一番の好きな遊びを自分自身で決めていく瞬間は、これからの人生を決断して切り拓いていく姿と一緒です。おもしろそうと心が動きだし『おもしろい!』『ああ!おもしろかった!』『もう、お片づけ?また、明日もしようね!』と小さな遊びの輪が園内のあちらこちらで繰り広げられています。それでも先生と手をつなぐだけが精一杯のおともだちもいます。安心感の土台の上に自分のおもしろい!をさがしています。
疲れも感じることでしょう。5月の連休、子どもにとってもほっとするひと時でしょう。ご家族でゆっくりとお過ごしください。
連休明けから午後2時降園となります。給食、春の遠足、お弁当と始まります。
うれしさと不安の二つの思いをおともだちや先生と共有しながら楽しく食べる時間を過ごしていきたいと思います。
たっぷり遊んだあとは、それぞれのお部屋で輪になって座り、心を合わせてお祈りします。「きょうも元気に幼稚園に来ることができてありがとうございます。」と、そしてまた、お休みしているおともだちのことも一人一人の名前を必ず先生が読み上げてお祈りします。その心を合わせたお祈りが大きな神様からいただく安心感につながります。伊集院幼稚園が80年間、神様の大きな家族として生活してきた歴史と証しがここにあります。行きつ戻りつする子どもたちでも、大いなる神様の祝福の中で神様が確実に成長させてくださいます。
その成長を信じて新緑の5月、一緒に進んでまいりましょう。
聖句「互いに愛し合いなさい」(ヨハネによる福音書15:12)
伊集院キリスト教会 牧師・園長 麦野達一
一年間の保育を通して子どもたちは聖書の言葉を覚えていきます。でもそれは覚えた言葉を先生の合図に合わせてスラスラと言えるようになるためではありません。その覚えた言葉を実際に生きてみる努力をするところにこそ意味があります。幼稚園の子どもたちが最も良く覚えている聖書の言葉の一つが「互いに愛し合いなさい」です。これを日本の言葉で言い直すとしたら「お互い様」ということになるでしょうか。でもお互い様は、どちらかというと「お互い様なのだからいやなことも我慢してやりましょう」という消極的な意味合いを感じます。それに対して「互いに愛し合いなさい」はもっと積極的です。自分の意志で相手のために時間を、能力を、時には財産さえも使うのです。
互いに愛し合うことは簡単ではありません。なにせ相手は自分ではありませんから。当たり前のことですが、相手は自分とは違う考えをもつ存在です。こちらがいくら愛している、と思っていてもそれが伝わらず、歯がゆい思いをすることもままあります。なかなか言うことを聞かない子どもに対して「あなたのためにやっているのに!」と言わないまでも、思ったことはありませんか?でも「人の為」を一つの漢字にすると「偽」になります。私たちは「人の為」と思っていても実は「自分のため」にやっていることが多いのではないでしょうか?だとしたら子どものためにしてあげることも、「子どものため!」と肩肘張るのではなく、「自分が好きでやっている」くらいに捉えた方が力が抜けて良いのでしょう。そしてそうやって精一杯頑張っている大人たちをイエス様は「わたしはあなたを愛しているよ」と優しく見守っていて下さいます。
生きるためのひとこと「おはよう」
伊集院幼稚園教諭 麦野節子
幼稚園にバスが来ました。先生方が門のそばで待ちうけて、おはよう、おはようと声をかけます。
知らんぷりの子ども、小さな声でおはようと言ってくれる子ども、にこにこ元気におはようと返してくれる子ども。
とってもうれしいおはようは、○○先生おはようと名前を呼んでくれる時です。
おはようと交わし合う中に、先生大好き、先生もあなたのこと大好きの思いが笑顔と共に伝わってきます。
おはよう、何気ないこの朝のあいさつ、まずご家庭で互いに名前を呼びつつ言ってみませんか。
すばらしい一日のスタートとなることでしょう。