幼稚園だより(月報) 2013年9月
伊集院幼稚園主任教諭 麦野節子
夏休みいかがでしたか。様々な体験(家族でキャンプ、山、海、遊園地、海外旅行)をし、一回り大きくなった子どもさん方といよいよ二学期のスタートです。先生、夏休みああだった、こうだったとお話ししてくれるのを楽しみにしています。
夏の体験を毎年、夏のカレンダーの中に、写真、絵、文章でお知らせ下さり、ありがとうございます。この夏のカレンダーはボードに貼られます。ボードに貼られた写真や絵を見てまた、ああだ、こうだと目を輝かせてお話してくれます。
楽しいことばかりでなく子育てって大変だなー、しんどいなーと思われることもあったことでしょう。あるお母さんの話、8歳と5歳の女の子がいます。ある朝8歳のお姉ちゃんがしくしく泣いています。どうしたのとびっくりして尋ねると「お父さんとお母さんはいつも妹の名前ばかり言ってる、私の名前言ってくれない」とのこと。姉のことも言っているはずなのに、平等にと思っているのについつい下の子への呼びかけが多くなっただけなのにとその母親は思いましたが、子どもにとってはそうではなかったんですね。子どもは泣いて心を発散し受けとめられまた元気になれます。親は泣いて気付かせてくれてありがとう、分かったわ、の思いです。まさに育児しながら育自させてもらっているようですね。
今月のテーマは「伝えあう喜び」ですが、伝えあう(自分の心の内を)ことって本当に大切だなと思います。目は口ほどにものを言うとも言われますが、言ってもらわないと分からないことがたくさんあります。特に夫婦関係の中で、男性と女性は物事の受け止め方が異なるのでちゃんと言いあわないと分かりません。ある夫婦、奥さんブーっと怒ってる、夫はなんで怒っているのか分からない。言ってほしい、言ってくれれば手助けするし、改めるし、話し合えるのにと。確かにそうですね。そうありたいと思いつつ、私も言わずにブーっと怒っていることがあります。用心、用心ですね。
今夏、愛着障害という本を読んで、本当にびっくり、いろいろ教えられました。愛着とは、お母さんはあなたのこと大好き、私もお母さんのこと、大・大・大好きと思い信頼し安心できることです。皆さんとお子さんの間には深い愛着関係がすでに形成されています。さらにその愛着が崩されず深まるようにと願っています。そのためにはやはり伝えあうことだなと思います。お母さん、お母さんと呼んでいる時に、優しくなーにと答えましょう。走っている我が子に走らないと否定語で言うより歩いてねと肯定語で伝えましょう。親が穏やかに語ると、子どもは安定し、これしよう、あれしようと意欲的になります。最後に言葉も大切ですが、子どもたちが求めているのは、抱きしめてもらえることです。スキンシップです。そして微笑んで下さい。誰に、夫に我が子に周りの人々にそして神さまに。神さまに向かって微笑む時、そこに心のゆとりとしみじみと生かされている喜びが与えられますよ。試してみて下さいね。スポーツの秋、園でも体を動かすことが多くなります。食事、睡眠に気をつけ規則正しい生活を心がけ、心も体も元気に過ごしてまいりましょう。
聖句「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である」
伊集院キリスト教会 牧師 麦野達一
東日本大震災から2年半が経ちました。あの震災以来、日本中で「絆」という言葉が飛び交いました。未曾有の大災害に襲われた東北の人たちを助けようと様々なプロジェクトが起こされ、支援の手が東北に向かいました。物質的な支援、人的な支援、形は違っても「何とかしたい!」という思いは一緒だったでしょう。そして日本だけでなく、海外からも支援の手は差し伸べられ、絆は広がっていきました。しかし公的な支援も含め、ほとんどの人的支援は1年で終了しました。支援者を派遣していた企業や自治体、NPOなどは、そもそも自分たちの活動があるからです。
伊集院教会が属する日本バプテスト連盟の仲間の牧師の奥田知志さん(東八幡教会牧師)が集英社新書から「『助けて』と言える国へ〜人と社会をつなぐ」という本を出版しました。脳科学者の茂木健一郎さんとの対談形式で書かれたこの本には、奥田さんが30年近くにわたって北九州市で続けているホームレス支援活動を中心に、いざというときに「助けて」と言える国こそが求めるべき姿だ、そういった国作りをどうしたら出来るだろうかという議論が交わされています。その中で、震災以来日本中で使われている「絆」にも触れ、絆という言葉の中には「傷」が含まれるはずだと言います。なるほど、平仮名で書いてみると「きずな」の中には確かに「きず」があります。でもこれは言葉遊びのことを言っているのではありません。本来人が誰かと絆を結ぼうと思ったら傷を負うのだ、ということを言っているのです。そしてその傷を引き受けてこそ、その相手は癒されていくのです。子育てをすることも同じです。親は自分とは違う「子ども」という存在を受け入れなければなりません。ある意味丸ごとです。子どもは遠慮しませんから、どんどん親の中に入ってきます。そして親は傷だらけになります。にもかかわらず子どもとの関係を絶たずに子育てを続ける時に「きずな」が生まれるのです。救い主イエス・キリストは十字架という「きず」を受けることによって、神と人との「きずな」を作って下さいました。そのキリストは、この私ともつながっていて下さいます。
今月のさんびか
幼稚園で子どもたちが月々に歌うさんびかをご紹介します。
どうぞご家庭でもお子さんとご一緒にさんびしてくださいね。
さんびか「きみがすきだって」
「きみがすきだ」って だれかぼくに
いってくれたら ソラ 元気になる
「きみはだいじ」って だれかぼくに
いってくれたら チョット どきょうがつく
きみがすきだよって言われたら誰でもうれしいですよね。
きみはだいじ、たからだよって言われたらもっとうれしくてやる気が出ますね。
この魔法のことば、かわいい我が子に抱きしめつつ言ってあげて下さいね。