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幼稚園だより(月報) 2012年2月


2月
今月の主題「育ちあう」

伊集院幼稚園主任教諭 麦野節子

大震災が起こってもうすぐ1年になろうとしています。大震災直後、宮城県気仙沼市のある小学校で卒業式がありました。なんと津波でめちゃくちゃになった職員室の戸棚の中から泥水で汚れた卒業証書を見つけ出しました。本来なら書き直すところですが、この小学校の校長先生は汚れていても無事流されずに残っていた卒業証書を卒業生に渡しました。
そして言われたのです。「この卒業証書は汚れています。でもそれはこの卒業証書が、この大地震と津波をくぐり抜けたしるしです。もし君達が大きくなってつらく苦しい時があったら、この汚れた卒業証書を見て下さい。この卒業証書が、この大地震と津波を乗り越えたように、君達もどんな苦しみも乗り越えられます。与えられた命を大切に生きて下さい。」と。きっとこの小学校の卒業生たちは、この卒業証書を生涯大切にすることでしょう。
二月のテーマは育ちあうです。私たちは自然の災害の中にあっても、育ちあう仲間であるのだなぁとつくづく思います。子と子、大人と大人、いろんな人々との関わりの中で私たちは育ちあうのです。
四月の頃には考えられないほど、子どもたちは成長しています。各クラスとも劇あそびに取り組んでいますが、自分が何の役になりたいのか自分で考え発表し、尋ねられると○○になるのと教えてくれます。役が決まり、ストーリーが作られ、皆で助け合い協力し合って仕上げてゆきます。どうぞお楽しみに!
もし私たちが災害にあい、悲しみや挫折を経験した時、そこに神さまの導きを信じ、希望をもって、互いに愛し合いつつ生きてゆけるために、今、我々大人が子どもたちの心の根っこに育てておかなければならないのは自己肯定感ではないでしょうか。
ひとりぼっちではない、生まれてきてよかったの思いです。これは各御家庭の中でお父さん・お母さんに愛され常にその存在を認められよろこばれることによって育ちます。あなたはお父さんとお母さんの宝だよの思いをもって抱きしめて下さい。宝のような我が子を与えられ、育てさせて頂いている恵みを感謝し、今いのちを与えられ生きている、生かされているという当たり前のことをよろこび、隣人と共に育ちあいたいものです。

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聖句「動かされないようにしっかり立ち主の業に励みなさい」(コリント一15:58)

伊集院キリスト教会 牧師 麦野達一

 少し前の話しになりますが、昨年を象徴する漢字に「絆(きずな)」が選ばれました。3月11日以降、日本中の関心は東北へ向けられました。多くの物資が送られ、多くのお金が捧げられ、たくさんの人たちが被災地を訪れました。テレビを代表とするメディアも「絆」を前面に立てて、「いまこそつながろう!」とアピールしました。しかし私は個人的に昨年を象徴する漢字は「揺」ではなかったかと思います。3月11日まさに日本が「揺れ」ました。爆発的な地面の揺れによって建物が人々が倒れました。その後襲ってきた津波。人々が逃げる間もなく全てを飲み込んだ波の上に、流された家の屋根が揺れていました。しかしさらに恐ろしい揺れが待っていました。原発事故です。見えない放射能に福島の人々は揺れに揺れました。原発から20キロ以内の警戒区域に住んでいる人々は家が地震で倒壊した訳でも津波で流された訳でもないのに、自宅に住むことが出来ず避難生活を強いられています。その影響は福島だけに留まりません。関東地方にも放射能の恐怖は忍び寄り、人々は見えない物質への恐れから原発から遠く離れた地域に避難しはじめました。この揺れは未だに続いているのです。使用済みの核燃料は10万年管理しなければなりません。再処理し高レベルの濃縮廃棄物になると100万年の管理が必要なのです。気の遠くなりそうな先の見えない状況の中で、聖書は「動かされるな」と語ります。そして「しっかり立って主の業に励みなさい。」と言うのです。主の業とは「神を愛し、隣人を愛する」ということです。いま真摯に神と人とを愛し、大切にする視点に立つならば、今まで見過ごしていたこの自然を破壊する原発の問題に向き合うことが必要ではないでしょうか?それは大切な子どもたちの未来に向き合うことでもあるのです。

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今月のコラム~祈り~

約2年半前、ガリガリに痩せ細ったノラ猫が長い間M家の周りをウロウロしていました。その猫はケガも負っています。それを見かねた小学生のH君。「家で飼ってあげようよ!!」とお母さんに何度もお願いし、やがてお母さんも根負けして、その猫は「さつき」と名付けられ、M家の一員になりました。
さつきは昼は外で過ごし、夕方になると家に帰ってきます。そのさつきの生活が1年前から変わりました。それはM家のお隣の親戚のおばあさんが天に召されたからです。そこには悲しみの中にいるおじいさんが一人残されました。それからさつきは昼も夜もそのおじいさんと一緒に過ごすようになりました。寝る時も一緒♡です。M家にはご飯の時に帰るだけ。おじいさんはさつきにたくさん話しかけ、一緒にいる暖かさを感じ、心癒され、さつきに励まされて1年を過ごしたのです。しかし、お隣のおばあさんの1周忌が過ぎた途端、さつきは役割を終えたようにあっという間に亡くなってしまいました・・・。
今にも死にそうだったノラ猫は小さな命をほっとけなかったH君がいたことで生かされました。そして次にそのノラ猫が一人のおじいさんに生きる力を与えたのです。
おじいさんもさつきもとても幸せな時だったのだろうと想像します。さつきがM家の周りをウロウロしていたことから今まで全てが神さまのご計画だったのでしょう。
「神さまは私たちが生きるために必要なもの全てを備えて下さる。だから神さまに委ねて歩めばいい。」と改めてこの出来事を通して思わされました。
悲しんでいるおじいさんに寄り添い、一緒にいてくれたさつき。私たちにも目には見えなくてもいつでも一緒にいて下さるイエスさまがいらっしゃいます。うれしいですよね。
その実感がない時はいつでも「イエスさま・・・」と呼びかけ、祈ってみてください☆



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